希少なルビンシュタインピアノ
昨日お伺いしたピアノはルビンシュタイン(RUBINSTEIN)という国産ピアノだったのですがロゴが少し変わったタイプでした。
お客様に『いつごろのピアノですか?』との問いに『おそらく昭和30年代なのでは』と答えました。なぜかというと、付属のキーカバーに『ATLAS』のロゴが入っており、アトラスピアノの創業が1960年(昭和35年)だったこともあってそう答えたのですが、帰ってからよく調べてみると違ったようです。
ルビンシュタインピアノは昭和10年ごろに斉藤栄一氏が中心となって創業された『斉藤ピアノ製作所』の流れを組むピアノブランドで、昭和23年『斉藤ピアノ株式会社』となり、昭和25年に『斉藤楽器株式会社』に社名変更。昭和31年に閉業しますが、その後一部の社員たちによって設立された『ルビンシュタインピアノ株式会社』へと継承し製造を続けることになりました(現在は廃業)。
前途のキーカバーが『ATLAS(アトラス)』だったのは、後にアトラスピアノ製造の常務取締役になる雨宮辰雄氏が『斉藤楽器株式会社』時代にに参画していたこともあり縁があったのではないかと。
で、ルビンシュタインピアノ自体は比較的出回っていて、私もよく調律をするのですが、昨日のピアノのロゴが普通のルビンシュタインピアノとは少し違っていました。
よくよく調べてみると、このロゴのタイプは昭和23年(1948年)から昭和25年(1950年)までの『斉藤ピアノ製作所』時代のもののようです。たった2年間の製造で何台が製作されたのかもわかりません(製造番号もなし)が希少なモデルと言えるでしょう。
追伸
どうやら過去に1台調律した記録ありました。
蔵シックコンサート
参照サイト
Rから始まるピアノメーカーとブランド