ピアノ調律師とは何ぞや
秋が深まってくると人はみな叙情的思考に走りがち。
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なんとなく漠然と思い浮かべていることを文字にしてみる。
ある調律師の言葉。
ピアノ調律師の仕事とは、ピアニストがそのピアノのポテンシャルを100%引き出す事ができるように整備調整すること。
この言葉は常に私の中の根底にあるような気がします。
調律師の仕事はあくまでもそういうことであって、調律師がピアノの音を作るなどおこがましい。良い音が鳴るのは調律師の腕が良いということではなく、もともとそのピアノが持っているものだということ。
調律師ができることはピアニストが意のままにそのポテンシャルを使い切ることができるようにコンディションを整える事その一点だと。
以前にも書きましたが調律作業は決められた公式や数値に基づいて行われており、調律師個々の音感で行われているわけではありません。したがって根底にある “調律師に最も必要なこ”とは88鍵盤すべて100分の1ミリ以下、1セント(半音の100分の1)以下の精度に調整できる技術力だと思っています。
なのでそこに調律師個人の好みや思考は介在してはならないと思っています。調律師は芸術家でもアーティスト(同じか)でもありません。
でなければ『もう少し高音を伸びやかに』とか『もう少しアフタータッチを感じられるように』など個々のユーザーからのご要望にもお答えすることが出来ない、そう思います。
何だ?突然どうした?
だんだん年令を重ねるに従って他人からアドバイスを頂いたりすることが少なくなってきました。原点へ帰り、おごり高ぶらず。色即是空日々精進(意味不明)
はい、酔ってます。
(あくまでも私の個人的所感です)