Q. 調律は梅雨明けにしたほうが良いの?
A. いいえ。お客様側で特に意識する必要は有りません。ご存知のように木材製品であるピアノは、湿度の影響を少なからず受けますが、湿度の高低により調律精度が左右されることは有りません。
湿気が多いとダメというのならば、雨の日は調律は出来ないという事になりますし、コンサートも開催出来なくなってしまいますね。余談ですが、気密性が高い現在の建築では、梅雨時期よりも冬の暖房使用時の結露の方がピアノに与える影響は大きいくらいです。
こんな話を聞いたことがあります。
輸入物やヴィンテージ物など、日本の高温多湿に対してシビアなピアノの場合、梅雨前の調律時に異常はなかったものの、梅雨の湿気により発音不良などが出ることがあり、技術者が二度手間を避けるために言った事が拡大解釈されたのではないか。
真偽の程は分かりませんが、そもそも1年を通じて快適にピアノを使用していただく為の調律なのに本末転倒のような気がしないでもないです。
梅雨時期を避けるという事に何の意味もありませんし、延期する事により状況の悪化を招く恐れもあります。ピアノのコンディション維持のため、使用の有無にかかわらず年に1〜2回の調律をおすすめします。