YAMAHA U1H 修復(番外編)
ピアノの鍵盤はシーソーのような動きになっていて、その支点の部分にパンチングクロスという部品が取り付けられています。下の写真の赤色の丸い部分がバランスパンチングクロスです。
鍵盤のタッチを軽くするパーツとしてカット済みバランスパンチングクロスというものがあって、2g〜4gまでタッチを軽くできるというのですが、わざわざ『グランドピアノ用』と銘打っているのはなぜか、ちょっと検証して見ました。
理屈はというと、円形のクロスでは鍵盤が押し下げられた際にパンチングクロスの端が圧縮されるので、その分の抵抗が増す。
そこで、クロスの前の部分をカットして抵抗を減らそうというもの。
もちろんメーカーもわかっていますので、バランス部分のレールの前側はバランスピンギリギリまで斜めにカットされています。
ところが、修復中のU1Hと最近の器種とでその斜めカットの位置が数ミリ違っています。一番上の画像がヤマハの比較的新しい器種の写真。そして下がU1Hの写真(カットする前の状態を撮影するの忘れていたのでカット後のクロスを回転させています)
斜めカットの位置を一番最初の画像と比べて見てください。目測でも1ミリ以上違うでしょ?
全てのパンチングクロスをカットして鍵盤を取り付けて弾いてみた。
もっさり(もちろんカット前後を比べてみての表現です)した感じがスコンと抜けて物凄く良い!
でもここで問題が。
鍵盤を取り外すたびにクロスが回転してしまうので手間がかかる。そこで、グランドピアノ用の取説にあるように鍵盤に貼り付けてみました。
さてまたまた問題が発生してしまいます。鍵盤を外す際に鍵盤の高さを調整する部品の紙パンチングが一緒に付いてきてしまう。
海外の同業者ともディスカッションしてみましたが、う〜ん。思案中。
Eccellente!
Thank you!