映画『父と娘の歌』(1965年)
1965年公開の映画『父と娘の歌』を観ました。主演は吉永小百合さん。昭和40年度芸術祭参加作品で、監督は斎藤武市さん。
貧しくとも微笑みを忘れぬ前向きの少女が、父の愛情にあたたかく包まれながら音楽の世界に栄光を求めて躍動する父と娘の涙と感動ドラマ。
日活公式ページより
1965年(昭和40年)なので、高級品だったピアノがようやく庶民の家にも入り始めた時代ですが、母を早くに亡くした主人公の家にはピアノは無く、紙鍵盤で練習しているような時代。古いロゴのヤマハやBELTON(富士楽器)のアップライトピアノも見れます。
で、主人公の家にはピアノが無いので、学校やアルバイト先で練習するのですが、実際に吉永さん弾いているような音源ありますよね。逆にそれがミスタッチとかも良い感じでリアル。1965年の映画公開に合わせてピアノアルバムを発売されているので、ピアノの腕前もかなりのものなんですね。
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小百合ちゃんの夢のピアノ・アルバム(紙ジャケット仕様)
圧巻なのはラストシーンとなるチャイコフスキーのピアノコンチェルト。さすがに音源はプロによるアフレコだと思いますが、違和感がないくらいには楽譜を追っているようです。ドアップで鍵盤を下まで押していないのが見えてしまいますが、それでもちゃんと運指してます。曲のテンポもゆっくりなので吉永さんに合わせたのだろうと思いますが、この難曲を違和感無く演じるにはかなりの練習をされたんだろうと窺い知れます。
当時のピアノの音を聴くことが出来るのも、何気に良い。
音楽教育の環境が今とは全然違うので、違和感がある事もあるのですが、ピアノレッスンがブームになるきっかけになった映画なのかもしれません。あと、お父さんと共演したいと汽車の窓越しに訴えるシーンではちょっと泣けます。
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父と娘の歌