ピアニストのピアノ選定現場
36年の調律師生活の中で数多くのピアノ選定に立ち会ってきました。そんな中でピアノを生業にしている人たちの選定について感じた事を少し書いてみます。
お客様からピアノ購入時の『ピアノの選び方』について聞かれるのですが、一般的なポイントなどはすで他の調律師などがネット上で語られていますのでそちらも合わせて参考にしていただけたらと思います。
で、プロピアニストはどんな感じ?以下は私の個人的な感想です。
やっぱりプロは『音色』にとことん拘る、音が良いということが一番重要と思っていませんか?私も思っていた時期ありました。もちろん重要な要素の一つであることは確かなのですが、プロが購入するピアノなのでそれなりにグレードも高く音色はどれも良いし、最終的には個人の好みなので、いつの頃からか選定現場でこちらからあれこれ言う事は無くなりました。
プロになればなるほど『音色』よりも、自分にあった弾きやすさや意のままに操れるその『表現力』という方に重きを置いているように感じます。
本当のところは想像するしかありませんが、音色に関してはその次ぐらい?の印象を受けることがしばしばありました。そういえば以前に観た映画『ピアノマニア』でもそんな選定シーンありましたね。
『表現力』
よくスタインウェイが愛好されている要因の一つにその表現力が挙げられますが、選ばれし者だけがその『神の領域』を感じているのかもしれません。