ストーリー&クラークの修復(その8)
お盆休みの間に一気に進めます。今回はレギュレーティング・レールを自作しました。レギュレーティング・レールを自作するのは初めてでしたので良い勉強になりました。
レギュレーティング・レールとはハンマーレットオフ(ハンマーが打弦寸前に鍵盤から伝わる押し上げる力から解き放たれる位置)を調整するレギュレーティング・スクリューが取り付けてあるレール状の部品です。このピアノの場合、レギュレーティング・スクリュー劣化により調整しようとするとスクリューがポロッと折れてしまう状態。ほぼ100%全部折れます。スクリューだけ交換しようと折れたスクリューの反対側から回して取り外そうとすると、そこでまた折れてしまう。結果レールの内部に折れたスクリューが残ってしまうという事態に。
結局全部折れてしまうので、もうレール部分の再利用は諦めて一から作り直します。
余談ですが、Story & Clarkのコンソールピアノ、他にも何台か担当させていただいていますが、他にも同じ症状に遭遇しています。このピアノ共通のウイークポイントかもしれませんね。
『?』状の金具がレギュレーティング・スクリュー。回そうとするとポロッと折れてしまします。
いきなり完成。新しいレールに古いレールと同じ位置に穴を開けて、レギュレーティング・スクリューをねじ込んでいきます。今回は先端部分のレギュレーティング・ボタンは古いものをそのまま使用します。アップライトピアノではレギュレーティング・レールとジャックストップレールと呼ばれる部品が別パーツになっているのですが、今回のようなコンソールタイプでは一体型になっていることが多いです。赤いフェルトがジャックストップレールフェルトとなります。
この後、整調及び1回目の調律をします。