映画『羊と鋼の森』観てきました
映画『羊と鋼の森』を観てきました(原作:宮下奈都、監督:橋本光二郎、主演:山﨑賢人) 以下多少ネタバレな部分もあるのでご注意を。
人混みが苦手な私は、映画館へ映画を見に行ったのは2012年の『ピアノマニア』以来。大きなシアターとなると1989年の『インディージョーンズ 最後の聖戦』以来です 😛
物語の内容は以前にも書いたので割愛しますが、原作を読んだ私が観てもがっかりする部分も無く、2時間に上手くまとまっていると思います。愛だの恋だの大騒ぎするようなことも無く、美しい音楽と映像がふんだんに盛り込まれ、山﨑くん演じる若き調律師外村が成長していく様が、ゆっくりと描かれています。
まず最初に感じたことは、調律師を演じる山﨑くん、三浦友和さん、鈴木亮平さん、光石研さんの調律作業がとても自然で、若手、中堅、ベテラン、それぞれのキャリアに応じていて違和感がなかったこと。立ち方、腕の動き、目線など、他の職業ネタ映画と違って実際の現場も見たことがないような職業なのに、短期間でここまで自然に振る舞えるって、俳優さんの影の努力を垣間見ることができました。キャラクターも原作通りイメージ通りの選任だと思います。
ピアノを習っている高校生姉妹役は実際でも姉妹の上白石萌音さんと上白石萌歌さん。最近の映画でのピアノ演奏シーンですが、どう観ても女優さん本人が演奏しているようにしか見えないのですが、どうやって撮影しているのでしょうね。もちろん聴こえる演奏はどう聴いてもプロが演奏しているので、女優さん本人の音じゃないので不思議です。萌音さんと萌歌さんのお名前から想像すると多少の心得はあるような感じですが、パンフレットを見ると猛特訓をしたらしいので、運指そのものは加工無しなのかな。それにしても2人のキャラクターは原作の双子という設定とは違いますが、イメージはピッタリでした。ピアノを習っている子どもたち、いや全ての子供達に、いつか必ず訪れる『その時』これもテーマの一つかもしれません。
追記
演奏シーンは実際に弾いていたらしいです。申し訳ない。
それと個人的には『子犬のワルツ』のシーン。似たようなお客様を実際に担当させていただいたことがあったので、少し泣きそうになってしまいました。
調律師から見ると、映画なので多少盛っている部分はあるものの、実際の現場と違和感なく仕上がっています。調律師を目指している方、ピアノを習っている方、ピアノの先生、もちろん音楽好きな方は是非ご覧になってください。ニッチな分野の作品なので残念ながら超満員というわけではないので、逆にゆったりと素敵な時間を過ごすことができました。
数年後、入社してきた由仁ちゃんに『も〜外村先輩しっかりしてくださいよ〜』という未来しか見えない事はナイショ 😀
追伸
全くセリフが無いのに存在感がある役どころのお婆ちゃん(吉行和子さん)の葬儀シーン。あれ土葬なのかな?