建築家アントニン・レーモンドがデザインしたピアノの修復
建築家アントニン・レーモンド(Antonin Raymond 1888-1976)はフランク・ロイド・ライトのもとで学び、帝国ホテル建設の際に来日。その後日本に留まり、モダニズム建築の作品を多く残す。日本人建築家に大きな影響を与えたとされています(Wikipediaより)
黒と木目のツートンカラーは、どことなく日本の『畳』をイメージしたように見えなくもないです。当時はまだ和室が主流だったでしょうから、和室に設置しても違和感がないようなデザインだったのかもしれませんね。 レーモンド氏とヤマハとの関係はと言うと、旧ヤマハ銀座ビルの設計をレーモンド氏が請け負ったようで、それを記念して1962年から1966年まで彼がデザインしたアップライトピアノとグランドピアノが発売されていました。
1951年に完成した旧ヤマハ銀座ビルは、日本で活躍したチェコの名建築家、アントニン・レーモンドの設計で、まだ戦後の傷跡が残る銀座に忽然と現れたモダンな楽器の殿堂として人々の楽器への憧れをかき立てました。そして翌々年、最上階に完成した「ヤマハホール」とともに、半世紀以上に亘って銀座の 名所として親しまれてまいりました。
昭和30年代にこのぶっ飛んだデザインのピアノは、当時の人たちの目にどのように映ったのでしょうか。 いったいどのくらい現存しているのか分かりませんが、100万円超えのプライスタグを付けているものも見ますので、非常に希少価値が上がっているようです。
このピアノの製造番号は23××××(昭和38年製造)製造からすでに52年が経過しておりますが、大きな傷などは修復され外装の具合は非常に良い状態です。これからじっくり時間をかけて内部の修復をしていきたいと思います。あと100年使えるように。 またこのピアノは完成後に当工房でリニューアルピアノとして販売いたしますので、興味の有る方はご連絡ください。2本ペダルなのでハンドマフラーやサイレントシステムの取り付けも可能です。
余談ですが、私はずっと『レイモンド』と呼んでいたのですが,、Wikipediaでは『レーモンド』となっているようなので、そちらに合わせます。