アリス=紗良・オット ピアノリサイタル2015 in 大阪
真っ白なロングドレスを身にまとい、噂通り裸足で登場した彼女。美しい容姿はもちろんの事、その演奏は私の想像を遥かに超えたものでした。 『テンペスト』第2楽章に入った頃、ん?声が、微かにハミングの様な声が聴こえる。生演奏を聴いて初めて知りました。彼女歌うんだ。耳を澄まさなければ分からない程微かに聴こえるその声は、グルードやキースなどのおっさん連中と違いとても心地良い。彼女のこの日の調子が良い証拠ですね。 テンペストの第2楽章で見られたようなジャックを放つタイミング、ハンマーシャンクの撓(しな)り、1/100、1/1000秒の溜め、間合い、ハンマーのどの部分を使いどのような音を使うか、ペダリング、アフタータッチにまで行き届いた演奏。久々のプロフェッショナルな演奏に時間と空間を忘れてしまう。 ご本人は意識しているかどうか分からないけど、あんな風に弾いてもらえた日にゃあ技術屋としてテンション上がります。 とかくその美しいビジュアルに目をとらわれがちですが、繊細かつ大胆、細部まで神経の行き届いたストイックな演奏は、なるほど世界で引っ張りだこなのは美しい容姿だけでは無いんだなと納得。 とにかく彼女が弾いたこの日のベートーベン、とても良かったです。 『Pictures』のジャケットにサインしていただこうと、ずっと買うのを我慢していた甲斐がありました。最新作の『ショパン・プロジェクト』と散々悩んだのですが、あっちはおっさんが写っていますからね 😛 Alice Sara Ott Piano Recital 2015 1.ピアノソナタ第17番 ニ短調 Op.31-2『テンペスト』(L.v.ベートーヴェン) 2.幻想曲とフーガ イ短調BWV944(J.S.バッハ) 3.シャコンヌ(J.S.バッハ/F.ブゾーニ) 4.愛の夢 第2番 ホ長調/第3番 変イ長調(F.リスト) 5.パガニーニ大練習曲 S.141/R.3b(F.リスト) 第1番『トレモロ』 第2番『オクターブ』 第6番『主題と変奏』 第5番『狩り』 第3番『ラ・カンパネッラ』 アンコール2曲 (アンコールでの2曲の題名はこの後の公演を聴きに行く人の為のお楽しみで伏せておきますね) アリスの事を知りご紹介したのが8年ほど前。ようやくお会いすることが出来ました。 サイン会で一言二言交わした時に見せてくれた笑顔は、普通の可愛いお嬢さんでした。それにしてもあの細い身体であのパワフルな演奏。そりゃ倒れるわ。残りの日程どうぞご自愛下さい。 iTunes Store ショパン・プロジェクトオーラヴル・アルナルズ & アリス=紗良・オット]]>
アリスさんのいずみホールでの演奏、本当に素晴らしかったですね! 私も大感激しました。
SIさん、コメントありがとうございます。SIさんも聴きにいらっしゃったのですね。本当に素晴らしい演奏でした。