アップライトピアノ用 背面取付型 防音パネル
アップライトピアノ用 背面取付型 防音パネルの取り付けをしました。防音室へ改装は予算オーバー、マフラーペダルだと音が籠もり過ぎてレッスンにならない、サイレントピアノではタッチが微妙、改造が嫌など、防音パネルは防音とレッスンをリーズナブルに両立させるおすすめの商品です。
今回購入していただいたのは、教育楽器販売株式会社様の『UP型用 ピアノテックス』定価 53,550円(取付費別・税込)の商品です。
『ピアノテックス』は3層構造になっています(専用カバーを含めると4層)。ピアノの背面を清掃後、1枚目の防音材(遮音材)を取り付けます。
2層目、3層目のスポンジ状吸音材は1枚構造になっていて、厚い方をピアノ側へ取り付けます。
取り付けには両面テープを使用します。
吸音パネルの取り付けが終わったら、外れて落ちないように固定用ベルトで固定し、専用カバーをかけて出来上がり。
以降は私のオリジナルですが、アップライトピアノの一部機種には前面から音が抜けやすいように、トーンエスケープ(またはトーンスプレッダー)と呼ばれる穴が開いていますので、そこを塞ぎます。このピアノの場合はトーンエスケープは無いタイプですが、下前パネル上部に隙間が開いているので、そこを塞ぎます。塞ぎ方は企業秘密なので詳しくは書けません。
取り付け後、明らかに小さくなった音を簡易的では有りますが、騒音測定器(iPhoneのアプリ)で測定したところ、背面部で約90dBが約50dBに、正面部で約70dBが約60dBに、いずれも減少が見られました。
特に背面部の遮音性能が高いことで、壁の向こう側へ漏れる音が少ない事が見て取れます。それでいて正面部の音量変化は背面に比べて少ないので、プレーヤーには、少し音が小さく柔らかくなったと感じられる程度で、レッスンへの影響もマフラーペダル使用時とは比べ物にならないほど少ないですね。
メーカーによると、防音インシュレーターを併用することで更に音量を下げることが可能とのことです。また防音カーテンや雨戸を併用すれば、屋外への漏れは、昼間なら耳を澄まさなければ殆ど感じられないレベルと言ってよいでしょう。マフラーペダルを使用すれば、更なる弱音も可能です。
プレーヤーにはどのように聴こえるか、録音してみました。その他、背面側からの音の様子などは、(他の)業者さんがYouTubeにアップされているようなので、それらを含め参考にしてみて下さい。
防音パネル設置前
防音パネル設置後
iPhoneのマイクですので分かり難いかもしれませんが、少し音が柔らかくなった感じが有るものの、不自然さは殆ど無い事がおわかりいただけると思います。
防音パネルは今回の『ピアノテックス』以外にも複数販売されています。腕に自身が有る方は自分で取り付けることも可能です。今回の取り付け時間は1時間ほどでした。
Amazon
ピアノ防音装置 エコパネルアップライト用(防音+湿度コントロール)
防音の相談で一言だけ伝えておかなければならないのは、どれだけお金をかけても音はゼロにはならないという事。そして、ゼロではない限り騒音公害は発生するということです。サイレントピアノ等の、いわゆる消音ピアノであっても、夜中に弾いていると鍵盤がカタカタ鳴る音やペダルを踏み込む音などで、お隣や階下から苦情が出る事案もよく耳にします。一番大事な事は、
1. ご近所に一言声をかける。
2. 早朝や真夜中には弾かない。
この2つを怠れば、いくら防音しても苦情が出る可能性が有る事を肝に銘じておかなければなりません。