先日担当させていただいたピアノ、ハンマースティックを起こしていたので動画撮影してみました。ハンマースティックとはこういう状態です。

本来ならば一斉に動かなければなりませんが。所々動きが遅くなっています。この動きが遅い部分がスティックです。ハンマーが完全に止まってしまうと音が鳴らない、もしくは極端に小さい音しか鳴らない状態になってしまいます。

このピアノの場合、動画の中盤あたり素早く動かすと一見動きが揃う様に見えます。この事から大きな音、即ちハンマーの動きに勢いがある時はスティックを感じにくい状態です。プレーヤーはただ『鍵盤が重たい』または『タッチにバラツキがある』と感じる程度です。以前に比べて鍵盤が重たくなったと感じる時は、このような状態なのかもしれません。

下の写真は鍵盤の上下運動を前後運動(厳密に言うと回転運動)に変えるフレンジと呼ばれる関節の役割を果たす部品。スティックの原因はフレンジのブッシングクロス(下の画像の矢印の先の赤い部分)が湿度により膨張して真ん中のセンターピン(写真では黒く見えている部分。回転運動の中心になります)を締め付けるために起こります。またスティックはハンマーだけではなく鍵盤など可動部分全てで発生する可能性があります。

これから寒い季節になると、暖房による結露で湿気が起因となる不都合が多発します。ピアノはその材質や構造上、湿度の影響は避けて通る事が出来ません。おかしいなと思ったら担当調律師にご相談を。