スピーチライターとピアノ調律師
『ヒトはなぜ生き残れたのか』Twitterのリツイートでこんな記事が流れてきました。
ヤフー知恵袋『弱者を抹殺する。 不謹慎な質問ですが、疑問に…』
ヒトは『言葉』を持つことにより社会性を身に着け、文明を築き上げ生き延びてきました。
『本日は、お日柄もよく』という連続ドラマを観ました。
ひょんなことからスピーチライターという仕事を知り、勤めていた会社を辞めて、その世界へ飛び込む若者の話です。主人公の二ノ宮こと葉を演じたのは比嘉愛未さん。
オバマ前大統領の『Yes We Can』や故ケネディ元大統領の『Ask not what your country can do for you; ask what you can do for your country(国があなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国のために何を成すことができるのかを問うて欲しい)』などもスピーチライターによるものだと言われています。
スピーチライターとは、単に代筆するのではなく、相手の心に寄り添い、その魂の叫びを言葉にする仕事。
(公式サイトより)
スピーチライターという職業はピアノ調律師と似ているなぁと思いました。『言葉』は『音』、むろん『相手』はピアニスト。
現在の日本でスピーチライターがどれほど活躍しているかわかりませんが、首相の所信表明などを聴いていると明らかに『スピーチライター』が介在しているなと思う一方、政治家の度重なる失言を思い出すと、そうでもないのかな?とも思います。アメリカ大統領戦などで、しばしばその名言が取り上げられますが、日本の首相の言葉で心打たれたことは1度もありません。
ただ、政治家ではないですが、心打たれたスピーチが最近ありました。
天皇陛下お誕生日に際し(平成30年)での陛下のお言葉。
不謹慎なことかもしれませんが、陛下のお言葉にスピーチライターは介在しているのだろうか。あまり語られることはないですが、過去のご発言を思い出しても今上陛下のスピーチ力は高いと思います。
少し話が逸れました。
ドラマの中でこんな言葉が出てきます。おそらく『核』となる言葉です。
困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。
三時間後の君、涙が止まっている。
二十四時間後の君、涙が乾いている。
二日後の君、顔を上げている。
三日後の君、歩きだしている。
どうだい?そんなに難しい事じゃないだろ。だって人間はそういうふうにできているんだ。止まらない涙はない。乾かない涙もない。顔は下ばかり向いているわけにはいかない。歩き出すために足があるんだよ。
そしてもう一つ私のお気に入りでドラマでも紹介されるヴォルテールの言葉。
船が入港するまで待つな。
船に向かって泳げ。
すべての若者に贈ります。
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ドラマを観た方はお気づきかもしれませんが、第1話で語られるスピーチの極意風にこの記事を書いてみました😁
ドラマは全4話なのですが、もったいないですね。12話くらいでもっと掘り下げてほしかったです。
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本日は、お日柄もよく
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本日は、お日柄もよく (徳間文庫) 文庫