アリス=紗良・オット 大阪公演
アリス=紗良・オット(Alice Sara Ott)さんの世界ツアー『Echoes Of Life』の大阪公演が昨晩フェスティバルホールで開催されました。
ショパンの24プレリュードに現代作曲家作品を織り込み、建築家のハカン・デミレルが作り出す映像で、アリスの足跡を辿る65分のノンストップ作品。
それはまるで映像という無音のオーケストラとのコンチェルトのようで、いつしかコンサートであることを忘れ、アリスの『私の人生ではなく、お客様の人生を』の言葉通り、映像の中にどっぷり浸り自らの人生をも顧みる時間となりました。
これまで音楽と映像のコラボコンサートは何度も経験しましたが、映像が音楽のきっかけで切り替わるだけではなく流れが演奏のテンポにも合っていることもあり、いつしかこれがコンサートである事、アリスの演奏であることさえも忘れてしまうほど。コンサート全体が一つの芸術作品であるかのように感じました。
人生のパートナーを迎え充実したアリスの生で聴く演奏、力強い中にも少し柔らかく優しいタッチが感じられたのは私だけでしょうか。
最後に苦言を一つ。
事あるごとに言ってきましたが『ブラボー』のタイミング。
いわゆる『フライングブラボー』だけは本当に勘弁してほしい。
ピアニストが手を下ろすまで演奏は続いてるんです。今回の場合も演奏が終了して、映像も消えて会場全体が真っ暗闇に包まれた瞬間におっさんの『ブラボー!』
それに釣られて拍手が起こりましたが、それでも真っ暗闇はまだ3秒くらい続いていました。あのブラックアウトの時間って意味あると思うんですよ。
その後ぼんやりとアリスの姿が現れ手を下ろす。ブラボーのタイミングはそこなのですよ。