映画『CODA あいのうた』
2021年公開の映画『CODA あいのうた』を見ました。コーダ(CODA:Children of Deaf Adults)とは、聞こえない、または聞こえにくい親を持つを持つ聞こえる子どものことを指します。
2014年のフランス映画『エール!』のリメイクで、アメリカ、フランス、カナダの共同制作。第94回アカデミー賞で作品賞、脚色賞、助演男優賞の3部門でノミネートされ、すべてで受賞しています。
あらすじ
公式サイトより
豊かな自然に恵まれた海の町で暮らす高校生のルビーは、両親と兄の4人家族の中で一人だけ耳が聴こえる。陽気で優しい家族のために、ルビーは幼い頃から“通訳”となり、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、秘かに憧れるクラスメイトのマイルズと同じ合唱クラブを選択するルビー。すると、顧問の先生がルビーの歌の才能に気づき、都会の名門音楽大学の受験を強く勧める。だが、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられず、家業の方が大事だと大反対。悩んだルビーは夢よりも家族の助けを続けることを選ぶと決めるが、思いがけない方法で娘の才能に気づいた父は、意外な決意をし・・・。
この手のお話は辛いストーリーなども多いですが、暗くなりすぎずアメリカ人ならではのユーモアやジョークで最後まで楽しく(?)観ることができるのはさすがです。もちろん差別的なシーンはあります。あと、お父さんのジョークがお下品すぎるので、子どもたちと観ると気まずくなるかもしれません😁
お下品なお父さんも口(手話)が悪いが妹思いのクソ兄貴もとても良い人ですが、音楽というものがよく理解できない(おそらく聴いたことがない)母親の理解が得られるまでちょっとイライラしてしまいます。もちろん両親に悪意などあるわけないのですが、なかなか理解し合えない。
でもね、終盤に夫婦で静かに語り合うセリフで『親』の思いが染みます。両親と兄役の役者さんは実際にろう者なんだそうです。
最後の最後にお父さんが声を発して言うセリフ。そしてラストシーンの指のサインで涙腺崩壊。
Amazon プライムビデオ
コーダ あいのうた(字幕版)
Children of Deaf Adults という言葉を知らなかったので、音楽用語の『CODA』の意味なのかなと思ってたら違ってました。音楽用語のコーダの意味は元来「尾」を意味する語で、ラテン語のcaudaに由来するとあるのですが、意味は『楽曲において独立してつくられた終結部分をいい、しばしば主題部とは違う主題により別につくられて、楽曲の終止を完全にし、曲のまとまりをもたせる効果を持ちます』とありますね。映画のテーマと合うのは偶然なのかな?