『動いていないように見えても』
今週のNHK朝ドラ『なつぞら』内でそんな台詞がありました。
同じ絵を何枚もトレースし、重ねてみてもきれいに重ならない。がっかりする主人公のなつ(広瀬すず)に向かってこう一言。
『動いていないように見えても絵は微かに動いています。これが絵に命を与えます』
NHK『なつぞら』より
これ、音楽にも言えます。
単音。例えばピアノでポーンと1音だけ鳴らすとしましょう。
ピアノは3本の弦で1つの音が鳴っていますので、きれいにユニゾンが合っていれば、1つのきれいな音が鳴り、減衰して、やがて消えていきます。
でもこれ、実際は音程や音量も細かく上下しているし、その幅や波も減衰とともに変化していきます。弾き方や調律によっても変わる。
それがなければただの電子音と同じ。それが音に命を吹き込んでいる。『歌うような音』とはそういうことです。
指一本、単旋律でも、もう既にそれは『音楽』
まずはそこから始めてみませんか。