外装はひとまず置いておいて、アクションの調整に取り掛かりました。予定としてはピアノ線交換、各種フェルト交換、可動部のリファインといつも通り。今回はハンマーの交換はしないでファイリングという作業でハンマーを復活させます。

オレンジのアンダーフェルトのハンマーが取り付けられているのですが、おそらくオリジナルのものではなく過去に交換されたものだと思うのです。今回は交換せずに、古くなったフェルト表面を薄く削るファイリングと呼ばれる作業を施します。

Piano repair. #piano

yamamoto 2000さん(@yamamoto2000)が投稿した写真 –

長年弾き込んでいくと、ハンマー先端部に弦溝がついてくるのですが、深くなってくると表面を削って弦溝を浅くします。長期間弾かずに放置していたピアノもハンマーフェルトが湿度や劣化により硬化してしまいますので、ファイリングが必要な場合があります。今回のケースがまさにそう。

ハンマーフェルトはハンマーウッドと呼ばれる部品を中心に、抱え込むように取り付けてあります。フェルトは層になっていますので、層を切らないように削るというよりも薄皮を剥がすように、専用のヤスリを使って全体的に剥いていきます。元の形と同じような美しい玉子型が理想です。

お客様宅のピアノのファイリングは弦溝を少し残す程度が基本ですが、販売用ピアノでピアノ線も交換予定なので、今回はきれいに剥きます。

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先端だけ削ったり歪な形や凸凹などは論外で、表面を指でなぞって凸凹などが無いかどうか、美しい弧を描いているかどうか確認します(注意:触ると指の油分が付着してしまうので、ユーザーは絶対に触らないでください)。

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ドロップアクションの場合、ピアノに取り付けて弦当たりや同時打弦などを調整することは事実上難しいので、この段階で徹底的に作業を行います。