楽譜見て弾く派?見ないで弾く派?
レッスンの時に先生が『楽譜をよく見て』といっているのをよく耳にしますが、楽譜を見ながら弾く人と、楽譜を見ないで弾く人いますよね。両者ではどのような違いがあるのでしょうか。
電気通信大学の饗庭絵里子助教授は、このような実験を行ったそうです。
複数のプロのピアニストを対象に、知らない曲の楽譜を用意し、最後までなるべく中断せずに初見でピアノを演奏してもらいます。その間、被験者の視線を追跡し、楽譜を見ているのか、あるいは鍵盤を見ているのかを観察して記録します。その後、約20分間の自由練習を経て、今度は予告せずに楽譜を見ずに弾いてもらい、どれだけ暗譜できているのかを調べました。
その結果
楽譜から目を離さずに弾く傾向のある「視覚情報が優位な人」は、主に視覚から得た情報を利用して演奏しているためか、ほとんど暗譜ができていませんでした。これに対して、楽譜を見ながら自らが演奏した「音」の情報を活用していたと考えられる「聴覚情報が優位な人」は、自分が演奏した音楽を一旦記憶しておく必要があるため、暗譜が得意で最後まで正確に弾けた人も多かったのです。
視覚と聴覚のどちらを使って演奏することが効果的なのかを示す結果ではないそうですが、助教授は両者の違いは情報処理経路の違いではないかと予測しています。
レッスンにおいて、楽譜を読むのが得意な子、お手本を聴いた方が早く弾けるようになる子など、個性に合ったレッスン方法で学習することにより、到達するレベルを高めることができるのではないかと結論づけています。
参照記事
聴覚に見る「演奏技能」と「職人技能」
私は視覚優先派ですわ。なかなか暗譜できない。年齢のせいかも? 🙂