ピアノ調律師専用アプリ:Instrument Tuner
はいはい、また買いましたよ。iPhone用チューナーアプリ。以前ご紹介したピアノ調律師用アプリ『TuneLab Piano Tuner(35,000円)』は高くてまだ買う決心が付きませんので、最近リリースされた、もう少し(かなり)安い『Instrument Tuner(450円)』を買ってみました。おそらく日本で購入したのは、私が始めてじゃないかと思うわ。
このアプリはピアノ調律師または、オルガン、チェンバロその他鍵盤古楽器取扱者専用になりますのでご注意を。
チューナーアプリと言ってもメーターを使って音を合わせる訳ではありません。このアプリはiPhoneから音を発し、その音を聞きながら楽器の音を合わせるタイプになります。
『Notes』起動直後は下の様な画面になります。『A0』がピアノの最低音の『ラ』の音。以下、スクロールしていくと最高音の『C8』まであります。起動毎にこの『A0』の位置になります。せめて『A3』か『A4』にして頂かないと毎回毎回スクロールしなければならないので面倒。要改善ですね。
で、音名をタップすると音が鳴ります。ボリュームはiPhoneで操作します。高音〜最高音部になると結構な音になりますので、聴きながら調律も充分可能です。ただし、『A0』とか『A#0』をタップしても低過ぎて音は殆ど聞こえません。なので、最低音部を聴きながら調律する事は事実上不可能です。でも、気にしなくて大丈夫です。理由は後で述べます。音を消すボタンは、この画面にはありません。音を消すには別の画面に移動するしかありません。一番下の『440Hz』がピッチになります。左右の矢印をタップするとリアルタイムでピッチが上下します。1Hzずつでしか調節出来ません。
で、『Input』をタップすると以下の画面になります。見ての通りで説明するまでもないでしょう。スピーカーマークをタップすると、この画面でも音が鳴ります。どちらかと言うと、この画面で調律する事になると思います。個々の音をセント単位で調整出来たら450円のネ申アプリだったのに惜しい。
『Tempering』をタップすると以下の画面になります。ここでは音律を選びます。平均率を含め10種類の音律がインプットされています。
•Equidistant Tempering
•Natural Tempering
•Werckmeister III 〜 VI Tempering
•Silbermann-Sorge Tempering
•Kirnberger II, III Tempering
•Kelletat Tempering
実際使ってみた感想なのですが、例えば平均率では、ザクッっと平均率っぽくにはなりますので、450円にしては優秀です。普段、コレを使って仕事という事は無いでしょうが、割り振りが困難な古い小型ピアノやトイピアノの調律ではメータータイプのチューナーより遥かに使えると思います。
私は、あまり古典調律に詳しく無いのですが、おそらく平均率と同じレベルの精度ではないかと予想されます。過去に何回か古典調律を依頼された事がありましたが、慌てて昔の本を引っ張り出して大汗かくより、iPhoneを持っているなら保険だと思って、このアプリを入れておくのも良いかもしれません。
ただ〜し。使えるのは割り振りだけです。オクターヴは全く使えません。おそらく割り振りの数値を倍々にしていっただけだと思います。間違いなくクレームの電話がかかってきます。なので、一番最初に申し上げた様に、低音が聞こえなくても全く関係ありません。
( ´д`) ハァー
注意:価格は掲載時のものです。