レーモンドモデル修復(その2)
さて本題。先日入荷したYAMAHA U3B アントニン・レーモンドモデル。中身そのものは普通のU3Bと同じなのですが、デザインに拘った外装には特徴があります。ただいま部品の到着待ちなので、ここでちょっと普通のU3Bと違う点など幾つか。 1.腕木が太い 腕木とは鍵盤の外側の外装部分のことを指します。この幅が6.4cmも有ります。これはもうコンサートグランド並みです。我が家のグランドピアノで4.6cmしか有りません。これだけで高級感と重量感が出るのはデザインの不思議。 2.譜面台が固定 通常このタイプのピアノの場合、譜面台は折りたたみ式なのですが、完全に固定されています。よく譜面台が緩くなってフタの開け閉めの際にパタパタとなってしまったり、蝶番のネジが緩んでガタガタになったり共鳴雑音の原因になったりするのですが、それがありません。全ての譜面台をこのように固定式にすればいいと思うのですが。。。譜面台固定のため、鍵盤が載っている棚全体の厚みも通常より大きく重量感があり。全体のバランスをとるために腕木も太くなっているんでしょうね。 3.鍵盤押さえフェルトの色が黒 オリジナルなのかどうかわかりませんが、通常、赤とか緑とかの鍵盤押さえフェルトの色。ちょっとした事ですがものすごく新鮮。ちょっと黒鍵と繋がって見えて戸惑うかも。 その他、美しいステンレス製の脚や普段は見えない内側も艶あり塗装してあったりと、随所にこだわりが見えますね。 改めて見ると、単なるツートンではなく、黒と木目の配色と造形とのバランスがとても良く完成されています。非の打ち所がありません。 このピアノ、過去にオーバーホールした形跡があって、白鍵やパンチングクロス類は比較的新しいものに交換されています。特にこの時代のヤマハアップライトピアノの白鍵木口部は劣化しているものが多いので、余計な費用がかからず助かりました。 次回はいよいよバラシにかかります。 リニューアルピアノ(中古)在庫状況]]>