調律師が聞いている音
http://www.youtube.com/watch?v=jSkucKTxD7U 前半は基音に含まれる倍音を、普通の人にも聞こえるように抽出している様子。打鍵後に残る残響が倍音です。 後半は2つの音を同時に鳴らして、2音間に生じる『唸り(ビート)』に注目。耳を凝らしてよく聴いていると『ラララララ』と聴こえませんか?前半に聴いた倍音、2音間の共通倍音のズレが唸りとなって聞こえています。平均律ではこのように唸りが生じ、逆に全く唸りが無いのが純正律ということになります。 で、どうして正確に音程を調節することができるのか。 続いて動画を見ていただくと『D-F#-B(長3度ー長6度)』や『G#-C-オクターブ上のC(長3度-長10度)』と、3つの音の唸りを聴き比べていますね。動画には出てきませんが『F-A#-オクターブ上のF(完全4度-完全5度)』など、基準の音から見て2つの音間に生じる唸りを聴き正確な位置を判断する。また唸りには長3度のようにハッキリと聞き取れるものもあれば、オクターブのように唸りが0なのか、10秒に1回出ているのか、20秒に1回出ているのかの判断は、オクターブを聴いただけでは分かりませんので、このような作業で正確な位置を判断します。例えるなら建築における三角測量のようなことをやっています。 ある1点の位置を決めるのに、調律師は三角測量、電子チューナーは直線定規、絶対音感は目測。ってな感じでしょうか。]]>