ピアノ製作者が語るピアノの手入れ方法
ホリデーシーズンが近づいて来ています。日本でもお正月休みに遠くにいる家族が集って、お孫さんがピアノを弾く、なんて機会があるかもしれません。そんないざという時にお孫さんをガッカリさせないため、カスタムメイドピアノ製作者のジム・ボーグルマンさんが語るピアノのお手入れ方法を簡単に翻訳、要約してみました。
調律
新品のピアノ、もしくは弦を張り替えたピアノは、最初の1年間に4〜6回の調律が必要です。普段は年に2回の調律がベストです。季節の変わり目がよいでしょう(注釈1)。
磨き
艶有りのピアノならば、科学物質を含まない乾いた布で、水にマイルドな食器用洗剤を溶かしたものに浸した布を固く絞り拭きあげた後、別の乾いた布で更に拭きあげてください。艶消しピアノは、薬品を使わず乾いた布で乾拭きしてください。ピアノの塗装は非常に繊細なので、もしもお酒などをこぼした場合は、プロに頼むことをおすすめします。
鍵盤
埃の無い状態を保ってください。必要に応じて湿った布で拭いた後すぐに乾燥させて(注釈2)ください。市販のスプレークリーナーは使用しない(注釈3)。たくさんの湿気は木材が膨らんでしまうことがあります。
湿気
湿気は、潜在的にピアノに対し破壊的な影響を及ぼします。多湿の地域では除湿機が最も有効な手段です。月に一度、乾燥した天気の日にピアノの蓋と窓を開けて、空気を循環させてください。
ボーグルマンさんは言います。ピアノを維持する事は、その人の幸せと健康を助けることなるかもしれません。最近の調査では音楽活動への積極的な参加は、人の心身の健康を維持するということが分かっています。ピアノを弾いたり、聴いたりすることは、休暇の喜びだけではなく、楽器の楽しさを体験することが期待できます。
参照記事
Preserving the Piano During the Holidays and Beyond
注釈1
日本の場合は四季がありますので、年に4回と言いたいところですが、特に季節は意識する必要ありません。
注釈2
乾いた布で拭きあげてください。
注釈3
象牙や黒檀鍵盤の場合は基本的に乾拭きで。アクリルや人工象牙鍵盤の場合は専用クリーナーで可。わからない場合は担当調律師にお問い合わせください。