鍵盤の運動量の調整
鍵盤の運動量を調整します。鍵盤の運動量とは静止状態の位置か(高さ)ら下まで押し下げた状態までの距離(深さ)の事を言います。アクションの調整はこの鍵盤の運動量を基準に調整しますので、とても重要な作業になり、100分の1ミリ単位の精度が要求されます。
鍵盤上面の高さを揃えた後に深さを調節します。調節は厚みが違う紙パンチングを入れたり外したりして調節します。
白鍵はアガキ定規と呼ばれる工具を使って深さを調節します。アガキ定規の上面と隣の鍵盤の上面が同じになる様に、指先に感じる感覚を頼りに調整します。
黒鍵の深さの調節は白鍵と違い、アクションの調整が終了した後に、沈み込む感覚が白鍵のタッチと同じになる様に調節します。感覚を研ぎ澄ましての、とても難しい作業になります。
なお、鍵盤は木材で出来ていますので、一度調整しても温度や湿度の変化を受けて日々寸法は変化します。家庭に納品されているピアノの場合、1ミリ近くズレが有ったり、演奏に支障が出ているなら話は別ですが、それほど極端に神経質になる必要はありません。
100分の1ミリが指先で感じられるなんて、まさに職人芸そのものですね。
楽器は、すべて手作りが基本なのですね。細かな部分は機械では作れない
のでしょうね。トランペットなどの金管楽器も手作りの部分があるのですか?
管楽器もリペアなどの修理や調整は職人さんの手作業ですね。製造に関してはヤマハの工場などはピアノを含めスタンダードモデルなどは、最終調整以外ほぼ無人化されているようですが、高級モデルなどは今でも職人さんの手作業です。寸法を揃えたら同じ状態という訳で無いのが楽器ですから、ご機嫌を伺いながらの調整は機械にはまだ無理のようですね 😉