ピアノ内部のカビ防止に、お婆ちゃんの知恵を借りる。
ピアノを湿気から守るために、ピアノ専用乾燥剤(調湿剤)を投入させていただくことがあるのですが、それでも万全というわけではなく、時に思った以上の湿気が侵入して、ピアノ内部にカビを発生させてしまっていることがあります。そういった場合には乾燥剤の個数を増やしたり、除湿装置の取り付けを薦めたりするのですが、そこまでの必要もない場合も確かにあります。そこでお婆ちゃんの知恵を借りて、一旦こういった処置をして様子を見るように私はしています。
ピアノによっては鍵盤の下の土台の部分に空間がある器種が有りますので、そこへ新聞紙を敷きます。
鍵盤の下にスペースがない場合は、フロントパネルの裏側へ貼り付けたり、底板(ペダルを取り付けている一番下のパネル)へ、敷き詰めたりします。その際は写真のように蛇腹状にするとより効果がある。ような気がします。
今までの経験から言うと、これによって湿気の故障が無くなる程という訳ではないですが、1年に1〜2回必ず交換するように心がければ、カビ防止の効果程度は見込めると思います。最初の写真のピアノは20年以上担当させていただいてますが、拡大して見ていただくと、カビの染みひとつ無いことがお分かりいただけると思います。
【注意】設置に関して、鍵盤やアクションの動きを阻害したり、雑音の原因となる可能性がありますので、必ず担当調律師にご相談下さい。もちろんピアノ専用乾燥剤との併用が前提です。