黒鍵の高さ
時間的制限がある一般の調律作業ではなかなか黒鍵の高さ深さまでは手を回すことができないのが実情で、運動量に問題がなければ後回しになってしまいがちが、ひどい場合は別です。
ピアノの前に座った瞬間に違和感があるし、弾いても明らかに発音がおかしい。B♭に比べてC#は明らかに低いしD#に至っては更に低い。よく見るとEの白鍵も低い。
それでも鍵盤の移動量(深さ)が同じなら発音そのものは可能なのですが、移動量が違うと発音も怪しくなってしまいます。今回の事例は後者。
新規のお客様で、前年までメーカー系の調律師が担当していました。ちょっと情けないです。
問題なのは自然にここまで狂ってしまうとは考えられないこと。当然クロス類の虫食いなどはありませんでした。
う〜ん。。。
ちなみに黒鍵の高さの調整は、調整済みの白鍵の上面から黒鍵の上面までのミリ数で調整します。基準となる白鍵の高さはメーカーごとに測定方法が違いますので、それぞれ知識が必要です。
深さはこれまた調整済みの白鍵の深さと同じ運動量になるように揃えます。