調律師の日記(2009.6.19)『ピアノ線研磨』
晴れ・先日のデータ消失事故以来、何か新しいカテゴリをと思って書いて来た日記ですが、毎日書くのはもう限界です(笑)。なので、これからは何か変わった事があった時に書く事にします。
今日は、午後から病院へ行く為、仕事は午前中の1件のみ。ピアノはKAWAIのKU2B。高校生と小学生の姉妹。2人とも良く弾いていただいています。毎年調律にお伺いしていますが、1年でもかなりの消耗が見られます。お姉ちゃんから、もう少しタッチを軽くというご注文がありました。ここをご覧の皆さんも調律の際は、遠慮なく調律師に注文してくださいね。言ってくださった方がやる気出ます。調律師皆待っているんですから。
それと、いつも調律の際に行っているピアノ線の研磨。今まで錆び取り用のラバーを使用していたのですが、最近は『赤棒』を使用しています。少し硬いような気がしますが、ラバーと違いカスの量が少ないので良いかも。
ピアノ線は金属で出来ていますので、当然酸化(サビ)します。厄介な事に振動部分には防錆油等の処置が出来ませんので、調律師によるメンテ以外にサビから守る方法は事実上ありません。ピアノ線にサビが生じると中心がズレて正しい弦振動を得る事が出来ず、音色に影響が出てしまいます。しかも一旦錆びてしまうと完全に除去する事は難しいと思います。ピアノ線全交換には数十万円の費用と、安定するまで数年の月日を要しますので、末永くピアノを使用していただくには、定期的なメンテナンスが必要と言われる訳ですね。