ドラマ『Mother』日韓見比べ
芦田愛菜という天才子役の存在を世に知らしめた名作ドラマ『Mother』の日本版と韓国版がプライムビデオにあったので両方を見比べてみた(日本版はすでに配信終了)
日本版がオリジナルストーリー(脚本:坂元裕二)で韓国版がそののリメークとなります。日本版の製作が2010年、韓国版が2018年なので画面から受ける印象もかなり違います。韓国版ではスマホやGPS、SNSなども登場しますのでかなり今風になり見やすいですが、日本版の古く暗い画面や極寒の北海道の風景などが虐待の悲惨さを強調して前半は見るのが辛くなってしまいます。
あらすじ(キャストは日本版)は臨時教師として小学校へ配属になった教師(松雪泰子)が一人の少女(芦田愛菜)の虐待に気がつき、事故死を装って連れ出し母親として生きる決心をするというもの。偽装はすぐにバレるので以後は逃亡生活となります。
まず最初に驚くのが子供の見た目。劇中では小学1年生なのですが、日本版の芦田愛菜は当時まだ5歳だったそうでかなり小さく幼いです。虐待により栄養失調状態という設定なのでかなり悲壮感があります。虐待をする母親を精一杯の笑顔で健気に守ろうとする姿に胸が締め付けられます。一方で韓国版はおそらく実年齢は8〜9歳くらいでしょうか、かなり大きく小学3〜4年生の感じです。冒頭ではかなり悲惨な虐待シーンなどありますので、ある程度物事の判断ができる年齢の子供じゃないと演じられないので、止むを得ずそうなったのかと思いました(実際、芦田愛菜さんの演技を見ているとメンタル面が心配になってきます)が、実は最終回が日本版と韓国版で違うので、そのためだったのかと判明します。どちらの子役も演技が上手で感心します。芦田愛菜さんの芝居に見入ってしまって物語が入ってこないこともしばしば。
癌に犯される母親役が日韓で違っていたり家族のエピソードが微妙に違ってたりはあるものの、日本版韓国版ともに大まかな流れは同じですが、結末は少し違うので、日本版は観たけれど韓国版は知らないという人は見比べてみるのも良いかもしれません。文化の違いもあるでしょうが、近年になり児童虐待に対する社会の方向も変わってきたのかとも感じます。
『Mother』は韓国の他、アメリカ、フランス、中国などでもリメイクされ、世界的なヒット作品となったそうです。
韓国版『マザー 無償の愛』
日本版 Mother
(日本版は執筆時点で配信終了しています)