グランドもアップも実は発音プロセスは同じ
アップライトピアノよりもグランドピアノの方が音が良いと思い込んでいませんか?実はグランドピアノもアップライトピアノも発音プロセス自体は同じなんですよ。
鍵盤を押し下げていくと、ハンマーという部品が動いて弦を叩いて発音すると言うことはご存知だろうと思います。
もう少し細かく言うと、ハンマーが弦に向かって進行し、現に当たる寸前(2ミリほど)で、鍵盤からの力から放たれ(レットオフ)勢いで打弦して連続打弦に備えた位置へ戻る(バックストップ)鍵盤が上がるとハンマーの位置も静止状態へ戻る。この一連の動きはグランドもアップも同じです。
では違うところはどこか?
1.グランドピアノには、より多くの連続打弦が可能になるレペティションレバーが備わっている
2.アップライトピアノはハンマーの運動をスプリングが補佐している(アップライトは前後運動なのでスプリングが補佐、グランドピアノは上下運動なので自由落下)
大きな違いはこの2点で、いずれも『音色』に直接影響するものではありません。
音色の違いは使われているハンマーの素材やピアノの形状、大きさによるものなので、フルサイズ高級アップライトピアノと、小型グランドピアノでは、前者の方が基本的に音は良いです。
また、ピアニストはレットオフの瞬間をコントロールしてピアノを歌わせますので、アップライトピアノだから格段に劣るというわけではありません。
ただし前途のようにアップライトピアノでは連続打弦に限界があるのと、ハンマーの運動にスプリングが関与しているので早い動きや弾き心地に違いがありますので、それらを感じるようになったらアップライトピアノ卒業ということでよろしいのではないかと思います。