iQを1ヶ月乗った感想
iQが納車されて一ヶ月(1500kmほど走行)が経過しましたので感想を少し。
(オレンジ色の憎い奴)
乗り心地
今までに11台の車を乗り継いできましたが、『どっしり感』と『ピョコピョコ感』が共存する不思議な乗り心地は、率直に言うと今までで一番独特な運転感覚です。
ハンドリング
ミッドシップ・レイアウトのアイも独特でしたが、アイのフロントが軽く運転手の腰を中心に回るように感じとはまた少し違い、iQのその場で回転しているように錯覚するほどのUターンは、誰かが表現していたようにまるで遊園地の遊具テーカップに乗っているようです。慣れるまで結構気を使いますし、慣れちゃうと他の車に乗った時の巻き込みが心配です。
コンパクト性
実際に街中を走ってみるとわかるのですが、本当に日本でありがたいコンパクト性能は、最小回転ではなく車幅の方だと身にしみて感じます。軽自動車に慣れてしまうと、iQの意外と大きい車幅を持て余すことが多い。
iQと同じコンセプトで、車幅が軽自動車並みだった初代スマートが案外売れたことを考えると、そのあたりも日本であまり受け入れられなかった要因の一つではないかと。
運動性能
パワーは平均的。軽ターボより遅いですが、日常アンダーパワーで困ることはありません。攻めたいなら1300ccかスパーチャージャー付きを勧めます。
挙動
短いホイールベースで正方形に近い iQ は、FFらしくない(良い意味で)のかなとも思ったのですが、アイからの乗り換えではやはりフロントの重さを痛感せざるをえないです。短いホイールベースからくる直進安定性が悪い事も災いしているのかもしれません。FF車が嫌いな古いタイプの人間なので。。。
高速道路
高速道路での直進安定性は悪いです。ちゃんとステアリングを握っておかなくてはなりません。過去に所有した Twingo のように、ベーシックカーでありながらハンドルに手を添えているだけで、超高速でも矢のように直進するようには当然いかず、安定性が悪いと言われるアイの足元にも及びません。長時間の高速走行はものすごく疲れます。
ミッション
初めてCVT車を所有しました。最初戸惑ったアクセルを踏み込んでも回転が一向に上がらないその挙動にも今では慣れましたが、止まる寸前までエンブレが効いて、止まる寸前に急に解除されるのには未だ違和感を覚えます。
シフトも遠くゲージパターンも少々使いづらい。
燃費
燃費は平均すると16~17km/l(エコモード)です。10年前の1000ccとしては平均的でしょうか。
その他
・エアバッグ内臓のAピラーが太く安心感があるものの左斜め前の死角が多い。
・フロントトウインドウが狭い(バットモービルレベル)
・革巻きステアリングの材質及び硬さがダメダメ。シボ入りの革とか使いますか普通。だったらウレタンで十分ですわ。
・物理ボタンじゃない外側からのドアロックの反応が悪い。洗車中にオンオフを繰り返してして煩わしい。
・メーター内のインフメーション・ディスプレイの視認性が悪い。
・間欠ワイパーの時間調整ができない(交換済み)
・グローブボックスが無い。
・サンバイザーのロックが弱く、下げようとするとすぐに外れてしまう。
・室内灯(マップランプ)が極端に暗い。
もの珍しさ
発売されてから10年以上経過しているにもかかわらず、お客様からは『これ何ていう車ですか?』と聞かれますし(お得意様からは『相変わらず変わった車好きですねぇ』という嬉しいお言葉も)、この一ヶ月間で2人の見知らぬおじさんに『これ4人乗りですか?』と聞かれました。
総評
スンマセン。なんかネガティブな感想ばかりになってしまったのですが、他人が乗らないような『不人気車マニア』にはたまらん1台です。扱いやすい万能小型車を求める人にはお勧めできません。
どういう経緯で中古車市場へ並ぶ羽目になったのかわかりませんが(事故車?水没車?はたまた練炭。。。)今の所、特に不都合もなくわずか2000km走行車で1000ccのオプション多数付き最上級グレードが100万円で手に入って非常に良い買い物でした。
当工房の看板車として合格です。