ピアノの調律5つの仕事 +1
1. 調律(音合せ) 弦(ピアノ線)の張力を調節して音階を作っていきます。ピアノ線には1本あたり80kg以上もの張力がかかっており、ピアノを使用していなくても自然に狂ってきてしまいます。ピアノにかかる総張力は20トン以上にもなり、狂ってバランスが悪くなってしまうと、ピアノに無理な負担がかかり、元の状態に戻すのに何度も調整を繰り返さなければなりません。 2. 整調(タッチの調整) ピアノの部品は1/100ミリ単位で精密に作られており、それらを複雑に組み合わせて作動しています。故に0.1ミリ調整が狂うだけでタッチ(鍵盤の弾き心地)にバラツキが発生します。狂ったタッチ練習していると、上手く弾けない事は勿論、けんしょう炎を発症してしまう事も有りますので注意が必要です。 3. 整音(音色の調整) ピアノはハンマーと呼ばれる先端にウールのフェルトが巻かれた部品で弦を叩くことにより発音します。調律師は、そのフェルトを硬くしたり軟らかくしたりして音色を調節します。また長期間使用されたハンマーの先端部には、弦溝と呼ばれる溝が刻まれるため、定期的に取り除き整えなければなりません。 4. 修理 長期の使用により、摩耗や劣化した部品、破損した部品の交換修理をします。 5. 湿度管理 ピアノは主に、木材、金属、フェルトなどの材料で構成されており、湿度や温度の変化に敏感に反応します。過湿度はカビやサビの原因になり、過乾燥は部品の割れやボルトの緩みなどを引き起こします。ピアノ内部の湿度を1年を通して50%前後に保たれるように調節します。 おまけ. 清掃 ピアノ内部には埃が溜まりやすく、ダニやゴキブリなどの発生源になっていますので、絶えず清潔に保つ必要があります。 (以下、ベヒシュタインのピアノチューニングより引用)
An upright or a grand piano made of organic materials is sensitive to the climate. Slightest changes in climate affect the tension of the strings through the sounding board. Two piano tunings per year – ideally at the beginning and end of each heating season – are therefore necessary to ensure the sound quality, tunability and tuning stability of your instrument permanently. A concert instrument, for example, receives a piano tuning before each concert to ensure the best presentation and sound. Depending on the frequency of use and choice of literature it might be necessary to have the piano tuned even more frequently. A professional with eight hours a day practice time has different requirements than a music lover, who only plays half an hour every day and with less effort. In regions with extreme climatic conditions and great fluctuations in humidity and temperature, valuable instruments must be housed in air-conditioned rooms. Good piano tuning is also very positive for your listening habits. A qualified piano tuning lets your instrument excel in all facets and rounds out the sound impression. ( from Bechstein: Piano Tuning )ピアノは手入れを怠らなければ100年以上使用することができます。 お手持ちのピアノを子供や孫たちに引き継ぎましょう。そのためにも年に1〜2回の定期調律をお忘れなく。]]>