最新の中国製ピアノ
先日お伺いしたお客様のピアノは、まだ日本へは正式輸入されていない最新の中国製ピアノ(アップライト)でしたので簡単にレポします。
全体的にはデザインも良く、しっかりとした造りになっています。普段は見えないが調律作業中に見える部分、側板の内側や屋根を開けたピン板の上面の部分(国産だとクロス張りの所)まで鏡面仕上げになっています。
鍵盤は一枚板からの切り出しではなく積層材になっています。美しく仕上げていますのでコスト削減目的と言うよりも湿度による変化防止の色合いの方が強いと思われます。
これも湿度対策で、口棒の反り防止のために筬と口棒の間にパイロットスクリューを噛ましています。木材の変化を考えて対策している所に、造って売ってハイ終わりという姿勢ではない事が伺えます。
マフラーペダルはワンアクションタイプを採用。一時期のK社のタイプの構造になっています(あれって特許じゃないのかな?)。
ハンマーはアンダーフェルト入りで『German』とスタンプされていましたが社名は不明。アルミ製センターレール。チューニングピンの番手を調べるの忘れましたw ピン味も今のところ良いです。フロントパンチングクロスは替えた方がキータッチが更に良くなるかもしれません。
全体的に中国の本気度が伺える国力の勢いが感じられる製品になっています。閉口してしまう昔のアジア製品とは完全に違います。もともと木工技術そのものは日本よりも歴史が有ると思いますので、他の産業同様、今後伸びてくるかもしれませんね。