スピネットピアノに弱音器を取付け

2018年4月10日 by Piano in Piano & Work

アクションが鍵盤より下にあるボールドウィン(Baldwin)のスピネット型ピアノに、手動操作する弱音装置を取り付けました。近所への音を気にする必要が無かった頃の古いアメリカの製品なので弱音ペダルは付いていません。ネットで検索してみると取付事例もあるようですが、なにぶん特殊な構造なので取付可能かどうかは現物合わせとなることをご了承していただいての作業となりました。

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まずマフラーバー全体の長さを決めるために仮組をします。

実は今回一番苦労したのはこの部分。側板の裏側が段になっていて、ピアノ線からちょうど良い距離に設置しようとすると、取り付け部分がちょうど段差の部分に来てしまう。それを避けるために弦寄りに設置すると作動時にフレームへ接触してしまう。
接触しないギリギリまで手前に寄せるとL型金具の角の部分が回転時に段差に当たって動かない。仕方がないので最初は写真の位置で作業を進めていたのですが、マフラーフェルトを取り付けて仮作動させてみると、弦から遠いため弱音時にマフラーフェルトが湾曲してしまいハンマーが引っかかって戻ってこない。なので、最終的には写真の位置よりギリギリ弦側へ(段差より5ミリほど手前)にセットしました。

で、なんとか取り付けることは出来たのですが、問題がもう3点。1つ目はこのハンドマフラーは低音部分のフェルトが中高音部よりも手前になるように設計されているのですが、こちらも弦から遠すぎてフェルトが湾曲してしまう。仕方がないので中高音部と同じになるように工夫しました。
2つ目はマフラーの運動量を制御する必要が有ることを想定して用意していたストッパー用のネジが段差のために短すぎて使えない。急遽ネジとタコ糸を使って制御することにしました。全く問題なく作動していますが、経年により切れる可能性や見た目が美しくないので、次回の調律時までに何か考えなければならないかもです。

そして3つ目の問題が錘(おもり)の設置位置。この錘を上下させることでマフラーのオン・オフを切り替えるのですが、通常のピアノの場合前面になるように取り付けることが多いのですが、極端に背が低いこのピアノの場合、錘に結ばれたロープが水平に近くなり上手く作動しない。これもサイドへ移動することにより、作動させることができるようになりましたが、この位置決めも背が低いために慎重にしないとスムーズに動かないことが今回わかりました。紐を通すための溝を掘らなければならないので失敗はできません。何度も何度もベストポジションを探らなければなりませんでした。

通常のピアノなら1時間もあれば取り付けることができる作業も2時間近くかかってしまいましたが、無事に取り付けることが出来て良かったです。



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